CONCEPT
私たちが素敵だと思うこと
世界のトレンド発信地ロンドンでの最新デザインの建築は、世界の注目を浴びそして世界中に伝播してゆきます。古い建物を壊して目新しい建築を建てるのが最新なのではなく、先人の築いてきた歴史を尊重しつつテクノロジーを融合させて新しいものを生み出してゆくのが最新だからです。
150年以上経たレンガ造りのビルの外観はそのままに、内部のみを造り直すというとてつもなく大掛かりなプロジェクト群が、巨大都市の文化を成熟に導く大きな原動力になっています。何世代にも渡り受け継がれてきた「価値あるもの」を絶やさずに未来に繋げたら素敵だと思いませんか。

上質な空間を実現するための原動力

ロンドンをはじめヨーロッパに根付いている価値あるものを育む文化に深く感銘し、私たちは上質な空間づくりに取り組んでいます。工場で生産された既製品を組み立てれば出来上がる「作り易い空間」には無い、設計者や職人の「情熱が生み出す上質さ」を私たちは大切にしています。
一方で、空間づくりにおいては、こんな部材があったらいいなと探してみても案外無かったりします。例えば、アンティーク・ステンドグラスの入ったエレガントなドア、曲線の綺麗なバルコニーフェンス、重厚感ある門扉や照明器具など、デザイン、サイズ、材質、価格にこだわると、これはという物が見つからないのです。「どれだけ探しても無いのなら、作ってしまおう」と、探求心が自らをオリジナル制作に突き動かし、お客様に喜んでいただける空間を生み出す原動力になっています。
「アンティークのある暮らし」という価値観

古いものを手に取った時、それが作られた時代にどういう思いで作られたのか思いを巡らせてみましょう。例えば、100年前のイギリスで職人が真心を込めて手作りしたものが、多くの人に大切にされ続け、幾多の災害や戦争を切り抜け、壊れることなく日本にやってきて、今ここにあるのだと思うと感慨深く感じられます。
ただ古いというだけでなく、人々に大切にされ愛され続けてきたものは、格別のオーラを発しているようです。さて、今自分が手にしているこの価値あるものをどうしたら未来に届けられるのでしょうか。自分が直接届けることができないのであれば、建築空間に溶け込ませ、人々に愛され続けながら未来へ届けられないものかと思うのです。タイムカプセルに入れて100年後にダイヤルセットして眠らせればいいという訳ではなく、価値あるもの自体がずっと人々の傍にあって、触れてもらいながら100年間愛され続けなければ意味がないのです。古いものにどんな価値があるのかを理解し、どのように建築空間に取り入れると魅力的に活かせるのかを提案することが、私たちの役割だと考えています。
DOLPHIN SQUAREでは2019年に社屋を建て替え、一級建築士事務所、デザイン建築工務店、アンティークショップ、集合住宅など、ひとつひとつが個性的でアンティークの新たな魅力を楽しむことができる新社屋を建設しました。その新築工事には多くのアンティーク部材を活かした空間を造りました。私たちが20年以上大切にしてきた「アンティークのある暮らし」という世界観を共有していただけたら幸いです。
GALLERY
ドルフィンスクエアのデザインソースとなっている、自らが訪れ感激した空間をご紹介します。
サニタリーコーナー
洗面ボウルはコンパクトにひとつ仕様だけれど、ベッドルームと同じく照明計画が素晴らしい。
鏡に映った顔に真上からのダウンライトが強烈に当たり、目の下にクマができてるんやろかと寝ぼけた朝には分かりづらい事がある。
楽屋の化粧カウンターに付いているランプをご存じだろうか。
鏡の両サイドに縦に電球が5~6灯づつ付いている「ハリウッド・ランプ」と呼ばれるランプ。
ここでは、縦方向に80cm程度のLEDランプが両サイドに鏡の内側に設置されている。
顔面全体に均一に光が当たることで、極端な陰影が付かず顔色チェックがしやすい。
大邸宅
ザ・シャード
ロンドン中央部を横切るテムズ川の南岸にあるロンドンブリッジ駅近くに建築されたヨーロッパで1番(310m)の超高層建築で、イタリア人建築家レンゾ・ピアノ設計、2012年竣工。
イギリスで一番の高さを誇る超高層建築だけあってロンドン上空からもすぐに見つけられちゃう。
ヒースローやガトイックに着陸する飛行機がここで着陸準備で車輪を出したら、引っかかっちゃいそう。
んな、アホな。
エキゾチックなエレベーターホール
英国の由緒正しきリビングルーム
石造りの建物って、得してる?
外壁には雨が降れば雨染みや苔が付き、自然に汚れてくるものだが、石造りの重厚な佇まいには、苔が映える。
「自然現象・自然劣化」と言って建物は年数を重ねると汚れてくるもの。外壁汚れ防止のためにフッ素や光触媒を塗布して防ぐ方法もあるけれど、たて自然現象に抗うのではなく、自然現象を味方に付けられたら、それは強みに変わるのではないかな。
雨染みや苔を「汚れ」とみるのか、「おもむき」とみるのかは、建物次第。石積みやレンガ積みの重厚な建物に苔が付けば、趣のある建物になれるのはだれも疑う余地のないところかと。